2017年11月号

社長からのLove Letter 新創業第3期(17年度) 10月号 株式会社クエスト社長 橋本 登

『デジタル先進国 エストニアについて』  

先日、ある勉強会でバルト三国の中の一つであるエストニアについて興味深いお話を聞いたのでご紹介する。
講師はエストニア投資庁日本支局長の山口功作氏、東京のエストニア大使館にご勤務の方である。  

国名を聞いてもあまりピンとくる人は少ないと思うが、結論から言うと、北欧のエストニア共和国という、国土は日本の九州をひと回り大きくしたくらいで人口は130万人という小さな国であるが、日本で言う「マイナンバーカード」にあたるIDカードの国民への普及率が99%近くで、世界でも最も進んだ情報化先進国になっており、行政面でもたいへん効率化が進んでおり、日本もお手本にすべきだという話である。  

1991年ソビエト連邦から独立を回復し、2004年EU加盟した自治国家としての歴史は非常に浅い国だが、当初からデジタル社会のフロントランナーになるべく古い政策や技術からの脱却を志した。

  国づくりの原則を
・ワンスオンリー原則 - 役所は身分照会などに関して国民に一回しか聞いてはいけない(無駄な証明排除)
・ノーレガシー - 12年を超えて同じシステムを使ってはいけない
・デジタルファースト - アナログ化の徹底的な排除   と定め、国民が何回もサインをし、度々はんこを押し、たくさんのカードを持ち歩き、役所へ何度も足を運ばないでも済む社会の構築を目指した。  

その結果、
・警察は1.5倍の検挙率
・病院の待ち時間が1/3に
・世界一の徴税効率
・選挙関連費用が1/2.5に(世界初の電子投票の実施、116か国からの投票を実現)
・電子署名はGDP換算で年間2%のコスト削減効果 が実現し、たとえば救急車で搬送されるときも、個人の病歴や状態が車内で即座に把握されるために救命率が格段に向上したなどと、情報化システムの利活用が大変進んでいる訳である。  

さらに、子供たちへのプログラミング、ロボティクス教育が拡充し、論理的思考能力で社会に革新をもたらす具体的な効果が出てきており、ビジネスでも開業率や起業率の非常に高い社会を構築できているということである。

  情報漏えいの不安や「国民総背番号制」への嫌悪感などから、日本ではそういった方向への取り組みが遅々として停滞しているが、どこかで割り切って方向転換をしないとこれからの国際的なICT化やAIの進化の流れに乗り遅れていくような気がしてならない、と感じた勉強会であった。
ありがとうございました。合掌