2017年5月号

社長からのLove Letter 新創業第3期(17年度) 5月号

『空き家問題』

野澤千絵さんと言う方が書いた「老いる家、崩れる街」と言う本を読みました。
2013年の国土交通省の調査で既に820万戸が空き家になっていると言われています。
また団塊の世代が、現在の日本人男女の平均寿命である84才を過ぎる20年後の2030年ごろにはそれが2000万戸を超え、およそ3軒に1軒が空き家になるとの予想も出ています。  

ご承知の通り、日本はこれから人口減少社会となっていきます。その人口減少の主な要因は「少子化」でしょう。
二人の親から一人の子供しか生まれない。また、子供をつくらないとか、そもそも結婚をしない、と言った人々も増えてきています。当然一人っ子同士が結婚した場合でも相続する家が2軒ある訳ですから、この少子化といった現象が空き家を増やす大きな要因となっていますね。  

また、欧米の場合、古い家を改修しながら代々受け継いでいく、大切に使うといった習慣が根強いようですが、日本人は割と「新築」にこだわりますよね。
そういった日本人の嗜好性の上に、行政が本来開発を抑制すべき郊外の農村地区などの市街化調整区域の開発基準を大幅に緩和する、そういう施策を打つ地域が全国に増え(高松市もそのうちの一つです)、本来居住に適した諸条件が整っていない地域にどんどん戸建て住宅が建設されています。
これは、行政の人口減少に対する危機感からくる「自分のところだけは人口を増やしたい」という独善的な思惑や、国自体も景気浮揚策の一環として建築業界を活性化を狙った政策を打っていることもありますね(住宅ローン減税などがその顕著な政策例)。
一方、相続税の節税などの絡みから、賃貸住宅のディベロッパーが次々と資産家を口説いて、「30年一括借り上げ」などと称してアパートをどんどん建てさせる、一種のブームのような現象も起きています。  

それから、地方に住む我々にはあまり縁がありませんが、都市部では「駅前再開発」と言った美名のもと、これも定住人口を呼び込もうともくろむ自治体が容積率を大胆に緩和して高層マンションの建設を後押ししています。
高層マンションの乱立している東京では学校の収容人数が急に不足状態になるとか、景観が売り物のマンションの見晴らしを他の高層マンションが台無しにしている、と言う笑えないジョークのような現象も起きているそうです。  

要するに、少子化が進み人口が減り、どんどん住宅戸数が要らなくなっていっているのに、一方で賃貸も含めて日本中に建築ラッシュが起きているという矛盾現象が拡大しているというのが、現在の日本の住宅事情ということでしょう。現実な問題として、固定資産税の関係で解体されず、また相続されない家屋や持ち主の分からない空き家が増えて犯罪の温床になり、倒壊や不審火火災という街なかの危険因子が増大しているということですね。  

あなたはこの現状をどう思いますか?
今後、空き家の活用の仕方を考えることも含めて私たちのビジネスにも大きく関連する社会現象ですので、営業政策を模索していく上で見過ごしてならない問題として注視していきたいですね。 

ありがとうございました。合掌