社長より一言 3月号 吉野家のこだわり

「明日から牛丼の販売を止める」 当時の安部社長が下した決断は周囲を驚かせるものでした。 
先日「ミスター牛丼」こと、吉野家ホールディングスの安部修仁会長のお話を身近で聞く栄に浴しました。

 

青天の霹靂ともいえるBSE問題が発生したのは2004年のこと。米国産牛肉を使っていた吉野家は政府の突然の輸入停止措置の直後、3日目で販売停止の決断をしたのでした。

 

理由は、たとえば豪州産牛肉に代え継続して販売することもできたのでしたが、その場合肉質が大きく違うため一番の特長であるタレのレシピを変更せざるを得なくなる。そうすれば当然味、食感ともに変わり吉野家ファンであるヘビーユーザー客に「これは吉野家の牛丼ではない」と言われてしまう。 
そういうお客様の期待を裏切ることは絶対に出来ない、というのが一番の理由でした。 

 

経営そのものを揺るがせかねない事態に際し、お客様の信頼というものを最前提で考える。また商品に対する徹底的なこだわりを捨てない、そういう覚悟、ぶれない姿勢にたいへん感銘を受けました。 

 

在任中倒産や外部資本の参加など数々の修羅場をくぐってきたにも関わらず、外連味の無い親しみやすいお人柄。そのお話の中に「常にお客様の立場に立って考え、行動する」という強い信念を感じた体験でした。合掌